『不正咬合』といった、命にもかかわる病気をご存知ですか?
こわい病気ですが、安心してください。予防法はあります!
大切なチンチラを守るためにも、予防はしっかりしたいものですね。
まずは、チンチラの歯のしくみを覚えておくことも大切です。
ここでは、チンチラの歯のしくみ、不正咬合の原因、症状、治療法や予防法など、紹介しています。
チンチラの歯は伸び続ける
チンチラの歯は全部で20本あり、すべての歯が一生伸び続けます。
牧草などを食べるとまず、門歯でかみます。次に、臼歯に送られ、臼歯によってさらにそしゃくします。
このように、かたいものをかむことで歯は消耗し、伸びすぎを防いでいます。
野生のチンチラは、歯が伸びるのと消耗して削られるバランスがよく、いつも健康な状態を保っていられるのですが、ペットとして飼われているチンチラは、そのバランスが崩れてしまうことがあります。
バランスが崩れると、歯が伸びすぎて、臼歯の歯根が下にもぐり、表面にも異常が現れます。
そのうち、門歯も異常に伸びてしまいます。
これが、「不正咬合(ふせいこうごう)」で、歯周病や栄養障害、また、ひどいときには死に至ることもあります。
食欲がない、よだれを垂らすなどのときは注意
不正咬合には兆候があります。
食欲がなくなったり、体重が減ったりします。かたいものを食べず、軟らかいものばかりほしがります。
また、よだれを垂らし、下あごの毛がいつも濡れた状態になります。
濡れた下あごを拭くために、前足が濡れていることも多いでしょう。
ただ、これらの兆候が現れるころは、症状がかなり深刻になっている状態です。
歯を削って治療
不正咬合の治療法は、手術で伸びすぎた歯を削ることです。
ただ、門歯は比較的安全に削れますが、臼歯は奥にあるため難しく、全身麻酔をして手術を行うことになります。
手術はチンチラにとって大きなストレスになりますし、成功率も高くありません。
また、成功したとしても、歯が伸びてきたら再び削らないといけなくなります。
どちらにしても、不正咬合は、完治することのない、怖い病気だと覚えておきましょう。
干し草を食べさせることが予防に
不正咬合はチンチラがもっともかかりやすい病気のひとつで、どの年齢でも起こりやすい病気です。
何より、原因は食生活にあるので、飼い主さんの責任が重大だと言えるでしょう。
予防法としては、干し草を食べさせること。
干し草は繊維質が多くてかたく、長時間そしゃくしなければならない食べ物です。
たとえば、干し草なしでペレットだけを食べさせた場合、いとも簡単に不正咬合にかかってしまうでしょう。
ほかに注意したいのは、チンチラが喜ぶおやつを与えすぎることです。
チンチラは好物のおやつでおなかがいっぱいになり、干し草をあげても、なかなか食べてくれません。
また、干し草の軟らかいところだけを食べて、かたいところは残してしまうといったこともあります。
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