チンチラといえば有名なのが『毛皮』。
上品で柔らかく、質の良いチンチラの毛皮は、昔から我々人間を魅了し続けています。
ここでは、チンチラ好きなあなたが、心を痛めるであろうチンチラ狩りについてお話をしています。
どう捉えるかは、あなたの判断に任せたいと思います。
古代では人々はチンチラと共存
現在では野生のチンチラはかなり数少なくなっていますが、何百年も昔の古代では、かなりの数が生息していました。
ペルーのインカ族やチリ北部のアタカメニョス族はチンチラと共存し、チンチラの毛から衣類を作ったり、チンチラの肉を食べたりしていました。
実際、チンチラの肉は白身でさっぱりとしていて、おいしかったようです。
チンチラの毛皮コートが大流行
1500年代に、チンチラの毛皮の肌触りのよさや軽さ、艶やかさ、温かさ、また、配色の美しさなどが注目されます。
ヨーロッパへ送られると、人々はたちまちチンチラのとりこになるのです。
18世紀になると、ヨーロッパでは、チンチラの需要が高まり、たくさんの毛皮がスペインに輸入されていきます。「毛皮貿易」の始まりです。
しばらくすると、ヨーロッパでは、チンチラの毛皮コートが大流行。
チンチラの毛皮は急騰します。
チンチラ狩りが活発
結果、南米のアンデス山脈では、「チンチラ狩り」が活発化します。
アンデスに住む人々にとって、チンチラはお金を稼ぐ手段となりました。
チンチラの値段が高騰し、ますますチンチラ狩りに拍車がかかります。
それもそのはず、チンチラには高値がつき、これまで牧童をしたり鉱山で働いたりしていたチリの住民にとっては、チンチラ狩りは簡単に大金を得ることのできる方法だったからです。
想像を超えるチンチラ狩りのために、野生のチンチラの数はどんどん少なくなり、山のふもとではチンチラを見かけることができなくなりました。
そこで、さらに高地までチンチラを求めて狩りをしたのです。
その高地からもチンチラは姿を消し、人里離れた場所でも見られなくなりました。
チンチラの数が減ると、今度は、品薄のために毛皮がますます高騰し、さらにチンチラ狩りに熱が入るという悪循環になります。
ちなみに、チンチラを捕獲する際に傷がつくと、毛皮として売ることができないため、殺すことになります。
アメリカやヨーロッパに輸出された数だけでなく、殺された数も含めると、かなりの数になるそうです。
25年間でチンチラはほぼ絶滅
「チンチラフィーバー」とも呼ばれるこの騒動のピークは、1900年のはじめ。1830年代には毛皮の輸出量が年に数千枚だったのに、1900年から約10年間は25万枚まで急増しました。
一番多かったのは1900年の70万枚で、いかにチンチラの毛皮が大流行したかを物語っています。
以上のように、1885年から1910年の間のチンチラ狩りで、チンチラはほぼ絶滅状態になってしまいました。
ちなみに、毛皮のコートを1枚作るのに、250~400匹のチンチラが必要だと言われています。
⇒チンチラの臭い対策!消臭剤だけではダメな理由!
⇒チンチラ用品通販サイト